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2019年10月号①

「こども六法」
山崎聡一郎 著・伊藤ハムスター 絵/弘文堂
    著者によると、この本を出版しようと思ったきっかけは、著者自身のいじめの被害体験にあるそうです。「小学生当時の自分に法律の知識があれば、自分で自分の身を守れたかもしれない」そんな思いから作られた本です。今、苦しい思いをしている子供にSOSを発信してもらうこと、また、そのSOSに根拠を与えることで、それを受けた周りの大人が
積極的に問題解決に動きやすくすることを目的に書かれています。
 いじめに関する報道などを目にするたびに、それは、‟いじめ”ではなく‟犯罪”なのでは?と思いうことが多々あります。当人たちがなぜそう思わないかというと、そもそも
犯罪とは何かを知らないのではないかと思うのです。法は私たちの自由、安全、安心を
守るためにあります。しかし、内容を知らなくては、どう守ってもらえるのかは分かりませんよね。(ここでも知識が大きな武器になるのです!)
私の感覚では、良心を持った、気持ちの優しい子供(大人もですが)ほど、訳の分からない理屈を言われて、悩み、心を痛め、辛い思いをしてしまうように思います。この本にあるような法律の知識があれば、何が間違っているのかきちんと反論できますし、堂々と
自分の権利を主張することが出来るようになると思います。
たくさんのイラストで、実際に、どんな場面で法律が役に立つのかが分かり易く表現されており、小学生でも十分理解出来ると思いますョ。ぜひ手に取って見て下さい。